バイオフィルム

バイオフィルムとは、複数の種類の細菌が共存して複合体を形成し、粘性のあるフィルムとなり、固体の表面に付着した状態のものの総称です。いわば細菌が共同生活している集合体のようなものです。
バイオフィルムは自然界のいたるところで見ることができます。身近なところでは、川底の石の表面や、排水溝などのヌルヌルがあげられます。台所の流しにある三角コーナーを汚れたまましばらく放っておくと、周囲にヌルヌルとしたものが付着しますが、これもバイオフィルムです。これらはすべて水中で細菌が繁殖しバイオフィルムを形成したものです。、水で流しただけでは取れず、こすり洗いしてようやく取り除けるほど強固に付着しています。
生体内での代表的なものは歯面に付着しているデンタルプラーク(歯垢)です。プラークは1 種類の細菌の集まりではなく、約400種類の細菌によってバイオフィルムを形成しています。
バイオフィルムの概念による歯周病

A 図:歯と歯ぐきの境目に細菌が集まりバイオフィルムが形成されると、細菌の構成成分や細菌が放出する酵素により歯ぐきに炎症が起こり、ポケットの形成が始まります。











B 図:ポケットが形成され、ポケット内でバイオフィルムが成長し始めると、細菌を食べる多形核白血球や抗体が登場します。この白血球はバイオフィルムをやっつけようと自ら酵素を分泌し活発に活動します。しかし、酵素はバイオフィルムのバリアーに阻まれて充分な攻撃ができず、逆に酵素によって歯肉が破壊され、歯肉の炎症がさらに拡大・進行します。










C 図:バイオフィルムが成熟し、ますます巨大化し、これに対して免疫細胞や抗体が戦闘を続行します。適切な処置をせずに放置しておくと、炎症はますます進行し、歯ぐきを支えている骨も溶け 最終的には歯は支えを失って抜けてしまいます。