
母子感染??
生まれたての赤ちゃんには、むし歯原因のミュータンス菌はいない。検査すると、ミュータンス菌をたくさん持っている母親の子供ほどミュータンス菌を持っている確率が高い。したがって、むし歯は母親からうつる母子感染である。ということが主張されています。
こういう風に言われると、お母さん方は、自分のせいでむし歯になったと罪の意識に苛まれるのではないでしょうか? お母さんからミュータンス菌がうつる機会はたくさんありますが、お子さんのむし歯のすべてが、お母さんの責任ではありません。
1,母子感染という言葉を辞書で調べて見ると、妊娠中・分娩時・母乳感染を母子感染というと書いてあります。 むし歯原因菌がお子さんにうつるのは母子感染とはいいません。まず言葉の使い方が間違っています。
2,母親からうつる機会は、離乳食を与えるとき熱さや味を見るのにスプーンでお母さんが確かめてそのまま赤ちゃんにあげる時、お子さんとキスをするときなど、主に子育ての動作にあるので、母親が原因だと言われています。でも、同じ事を父親もおじいちゃん・おばあちゃんもするでしょう。また、こども同士で遊ぶようになって他の子からミュータンス菌がうつることもあるでしょう。生まれたとき持っていなかったミュータンス菌に感染する機会は無限にあります。むし歯になる子とならない子との差はミュータンス菌だけではないと思われます。
3,少し古い話ですが、疫学統計で砂糖の消費量と糖尿病の罹患率は相関する、だから砂糖が糖尿病の原因だとまちがった3段論法がまかりとおった事があります。現在は高カロリーが問題で、砂糖であろうとご飯であろうとパンであろうと、インシュリンが処理できないほど摂取すると糖尿病になる。インシュリンの量に個人差・年齢差・遺伝的素因があると考えられています。生活習慣病ともいわれています。
これをむし歯で考えてみますと、砂糖がミュータンス菌に相当します。糖尿病がむし歯です。いわゆる母子感染の主張は、ミュータンス菌がうつるー>むし歯になる。これだけです。
ミュータンス菌が口の中にはいった時、ミュータンス菌はプラークをつくりその中に棲息します。このプラークは固いもの(歯)にしかつくことができません。ですから、歯ができはじめる頃から口の中にミュータンス菌が見つかり始めます。このプラークをそのまま成長させることがむし歯の主原因です。
ミュータンス菌がプラークを作れない場合は?
唾液が多いと洗い流されたり、唾液がアルカリ性なのでくっつけない。
飴など歯にくっつきやすいおやつを食べない子
食事や間食の後によく歯磨きをする子
未解明の遺伝因子
4,以上より、むし歯は母子感染ではなくて生活習慣病と考えます。
乳歯が生えてきたら、食事の質を考えたり、口腔をいつも清潔にするようにケアし、お子さんがむし歯にならないよう気を配ってください